Y字型テープを作ってお尻に貼るだけ
腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄主)の最大の特徴は、単に腰痛間欠性跛行は、その代表です。
中でも、足の痛みやしびれが強くなってこま切れにしか歩けなくなる間欠性跛行の悩みは深刻で、日常生活で大きく制約を受けます。このようなお尻や足の症状がある人におすすめしたい狭窄症テーピングが、お尻に伸縮テープを貼る「中殿筋テーピング」です。その貼り方について説明しましょう。
中殿筋テーピングで使うテープは、前の記事で紹介したのと同じく、5センチ幅の伸縮性粘着テープです。これを20センチの長さに切ったら、15センチの切り込みを縦に入れて、Y字型のテープを作ります。
足やお尻の症状が両足に現れている場合はこのY字型テープを二本、左右どちらか一方だけの場合はY字型テープを1本用意してください。
中殿筋テーピングでは、お尻を包み込むようにY字型テープを貼ります(くわしくは図参照)。自分一人で貼るのは大変なので、かぞくなどに貼ってもらうのがいいでしょう。
まず、テープを貼ってもらう人は痛むほうの足を上にして横向きに寝て、ひざを軽く曲げます。そのままの姿勢で、テープの基部(切り込みのないほう)を大転子(太もものつけ根の外側面にある骨の出っぱり)の上に貼ります。
次に、二またに分かれたテープの一方(体の後ろ側)を軽く伸ばしながら、お尻が描くカーブに沿って、お尻を包み込むように腰の中央部に向けて貼ります。そうしたら、テープのもう一方(体の前側)も軽く伸ばしながら、お尻のわきを包み込むように腰の中央部に向けて貼ります。ちょうどYの字の二またの部分で、お尻を丸く包んだような形になります。
ちなみに、誤解のないようにつけ加えると、次の説明写真ではレオタードの上からテープを貼っていまうが、実際には肌の上に直接テープを貼ります。でないと効果が全く得られないのでご注意ください。
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間欠性跛行も軽快しらくに歩ける
さあ、中殿筋テーピングが完成したら、立ち上がってその効果を確認してみましょう。足やお尻の痛み・しびれ、坐骨神経痛が不思議と軽くなったのではないでしょうか。間欠性跛行が現れている人も、らくに歩けるようになっているはずです。
痛みやしびれに少しも変化がない場合は、貼る位置がズレているか、テープを伸ばしすぎているせいかもしれません。何度か試して、ご自身に合うテーピング法を見つけるようにしてください。とはいえ、あまり神経質にならなくても、だいたいの位置にテープを貼れば効果を得られるのが狭窄症てーぴんぐのいいところでもあります。
なお、一度貼った伸縮性テープは粘着力が続くかぎりは2〜3日間貼りつづけては交換するくらいが適当でしょう。最近は入浴してもはがれにくい便利な撥水タイプの伸縮テープも市販されています。もちろん、衛生的に気になるという場合は、毎日張り替えてもかまいません。
ただ、注意したいのは、肌が弱い人の場合、皮膚のかぶれる恐れがあることです。それを防ぐためには、肌にかゆみを覚えたらすぐにはがすことが大切です、肌のかゆみが治まるまでは、テープを貼るのを控えたほうが賢明でしょう。
敏感肌の人の場合は、最初のうちはテープを貼りっぱなしにせず、数時間貼ったらはがすというぐあいに、ようすを見ながら試してください。
もう一つ注意が必要なのは、テープをはがすときです。乱暴にパッとはがすと角質もいっしょにはがれて肌が痛む心配があります。皮膚を軽く押さえてながら、少しずつそっとやさしくはがすようにしましょう。
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